先日の雑誌アエラにレーシックの安全性について有名な眼科医師の対談が掲載されていました。
推進派の先生のご意見
・すでにたくさんのレーシック手術が行われており充分に安全性は証明されている。それは飛行機に乗って移動するくらいの安全性である。
・コンタクトレンズの方が危険と考えられる。コンタクトレンズの眼障害の事例はたくさんある。
・調子の悪いスポーツ選手がレーシックを受けていることが分かると、レーシックを受けたことが原因だと言い出すメディアに不満がある。
慎重派のご意見
・レーシックの術後のドライアイを訴える患者さんがご自身のクリニックに年間10人くらい受診している。術後ドライアイ等の慢性刺激でうつ等の身体症状がでることもある。
・適応検査での手術の適応基準がクリニックで異なるのは危険なのではないか。
・術後に問題が生じるということについて、手術前にちゃんと説明が行われていないのではないか。
どちらもごもっともな意見です。
私は自分自身がレーシックを受けていることもありますが、私はレーシック推進派だと思います。
私はレーシック推進派ですが、なんでもレーシックで手術したら良いとは考えていません。
かわもと眼科の手術適応基準はわりと厳しい基準設定をしていると思います。
レーシックが難しければラゼックがありますし、ラゼックが難しければ有水晶体眼内レンズでの矯正方法があります。
一般眼科施設で診察をしていると、コンタクトレンズのトラブルで目の痛みやドライアイを訴える患者さんはたくさんいます。そのためコンタクトレンズの方がレーシックよりも優れているとは思いません。
レーシックの術後は一定期間は強いドライアイを感じていると思います。ただ一定期間が過ぎればそのドライアイも徐々に軽減してきます。
手術前の状態に戻せないことがレーシックのデメリットと言われていますが、術後経過に問題がなければ元に戻せないことがデメリットになるとは思えません。
ドライアイや手術前の状態に戻せないことをデメリットと考えるのであれば有水晶体眼内レンズで手術を受ける選択肢もあると思います。
近頃のうわさ話や都市伝説のような俗説で「レーシック=悪いものである」という風潮はいかがなものかと考えています。
眼科医も1人の人間です。メガネに不便していない眼科医はコンタクトレンズを使うことはないでしょう。レーシックの必要性を感じない眼科医もいると思います。
しかし眼科医がメガネをかけているからレーシックは信用できないとか、常識的な眼科医はレーシックを否定している等々・・・この類のお話が蔓延している状況も含めて、レーシック等の屈折矯正手術は良い手術であるということをもう一度正しく認識してもらえるように努力していかなければと思います。
眼科医がメガネをかけているからコンタクトレンズは信用できないというお話にならないところがレーシック不信の根深いところなのかもしれません。