ラゼック術後の角膜混濁

ラゼック等のフラップ作製を行わない手術方法を表面照射と言います。

フラップ作製を行わないので格闘技を行う人や角膜の厚さが薄い人に向いている術式です。

ラゼックの難点は術後の短期的な痛み、視力回復に時間がかかるということがありますがこれは数日~10日程度で改善します。

その後は3~6ヶ月間程度は点眼薬の継続と紫外線予防をしていただく必要があります。

術後に3~6ヶ月間の経過を診ていると、まれにヘイズという角膜表面に混濁が生じることがあります。

ラゼックで手術を受けられた方のほとんどは何の問題なく視力回復していますし、仮にヘイズが発生してもほとんどの方は投薬を増やすことで治療が出来ます。

ラゼック術後にステロイド点眼を忘れずに使っていただければ、強いヘイズが出ることはほとんどありません。

写真のようなヘイズが発生しても一定期間の点眼薬の使用、または再度レーザー照射を行うことでヘイズの治療が出来ます。

 

高度近視・乱視のICL手術

高度近視と乱視の方にICL手術を行いました。

もともと角膜が薄いのでレーシック・ラゼックでの矯正は出来ません。

近視乱視の度数の合ったカスタムレンズをオーダーして、レンズが届いたので両眼に手術を行いました。

手術翌日から視力は良好です。

レーシック・ラゼックに比べると内眼手術で費用もかかるので敬遠される方もいらっしゃいますが、こういう結果をみるとやっぱり良い手術だと思います。

 

多焦点眼内レンズの勉強会

この多焦点眼内レンズは厚生省に認可・承認されていませんが、日本国内で導入している眼科クリニックはたくさんあります。

このレンズの勉強会で使用経験が豊富な先生のお話を聞いてきました。

今までの多焦点眼内レンズとは異なるコンセプトで、遠近両用レンズなのに遠くも近くも見えにくい・・・といった症状が起こりにくい眼内レンズです。

とはいってもこのレンズでもそのような症状を感じる方もいるそうで、その対応方法等を聞かせてもらえました。

カスタムオーダーの眼内レンズですが多少は度数誤差が生じるようです。術後のレーシックでの追加矯正が必要な症例もあるとのことでした。

ICL 3ヶ月検診

ICL術後3ヶ月検診です。

手術前のデータです。両目の高度近視と乱視があります。

術後1週間のデータです。裸眼視力は向上していますが、術後早期のため角膜乱視が手術前よりも増えています。

術後3ヶ月のデータです。視力は1週間検診時と同等ですが角膜乱視は手術前の状態に近づいています。眼内レンズに特有の夜間のグレア・ハローは気にならなくなったそうで、 術後結果に満足していただいています。

 

ICLはレーシック・ラゼックと同等の安全性で角膜を削らずに裸眼視力を向上させる方法です。

高度近視でレーシック・ラゼックをあきらめた方には福音と言えると思います。

 

RKの術後

RK=Radial Keratotomy 放射状角膜切開術というレーシックよりも古い近視矯正手術で、角膜をダイアモンドメスで切開して角膜のカーブを変えて視力矯正する方法です。

20年前にRKを受けて見づらいといわれる方が来院されました。

屈折の状態は悪くありません。RK術後は視力の日内変動 という1日のなかで視力が変動する状態が起こることがあります。この方もそれは自覚されていました。

このような収差という光のゆがみを計測すると、収差(不正成分)の増加が著明でした。この収差が夜間のにじみや乱視っぽく見える原因となります。レーシックと比べるとRKの手術精度では収差の増大は大きい傾向にあります。

屈折度数は悪くないですし、この収差を完全に取りきることは難しく確実に改善すると言えないので特に手術はしないことにしました。

 

レーシックでもそうですが角膜のカーブを変化させると収差が増えます。 カーブの変化量が大きいと収差は増える傾向にあります。

高度近視だとレーシックやラゼックで手術を行うとたくさん角膜を削ることになります。角膜のカーブの変化は大きくなり収差が増えます。そう考えると角膜を削らない眼内レンズで矯正するICLと言う方法は合理的に思えます。