多焦点眼内レンズ

毎週木曜日は白内障の手術日です。

今週は一例だけ遠近両用の多焦点眼内レンズが予定されています。

紫色の箱が多焦点眼内レンズです。

最近は自費診療の遠近両用の多焦点眼内レンズに興味を持たれる患者様も少しづつ増えてきていますが、かわもと眼科のほとんどの白内障手術は通常の保険診療での白内障手術です。

 

レーシックの適応検査に来られたご年配の方の中には、老眼のことや将来の白内障のお話を聞いて、遠近両用の多焦点眼内レンズの手術を受けられる方もいらっしゃいます。

① 近視や遠視の屈折矯正が出来る

② 老眼対策・老眼対応が出来る

③ 白内障手術を済ますことが出来る

この3点に同時に対応できることが遠近両用の多焦点眼内レンズの利点だと思います。

クリーンルーム

クリーンルームとは「 空気中における浮遊微粒子、浮遊微生物が限定された清浄度レベル以下に管理され、その空間に供給される材料、薬品、水などについても要求される清浄度が保持され、必要に応じて温度、湿度、圧力などの環境条件についても管理が行われている空間 」と定義されています。

通常手術室はクリーンルームです。清潔で汚染されない空間が維持されている必要があります。さらにレーシックに使用するレーザー機器は安定した温度、湿度管理が要求されます。

かわもと眼科の手術室も当然クリーンルームです。

当然のことですが、安全な医療を提供する施設としての対策を行っています。

 

 

 

術後のドライアイ

レーシック術後はドライアイになります。

これは角膜の知覚が低下して涙液の分泌が少なくなるためです。

このドライアイの症状を緩和するために点眼薬を処方しています。

このドライアイの程度は個人差がありますが、レーシックを受けたほとんどの方が感じる症状だと思います。

少し乾きを感じる程度の方もいれば、視力に影響するくらい角膜が乾燥する方もいます。

この術後のドライアイは約3~6か月くらいで徐々に改善してきます。

ドライアイの程度に合わせて処方する点眼を変えていますが、基本的には時間が経過しないと、この症状は改善してきません。

エピレーシック

表面照射にはラゼックやPRKのほかにエピレーシックという術式があります。

ラゼックでは角膜上皮を剥離するのにアルコールを使用します。それに対してエピレーシックは角膜上皮を剥離するのにエピケラトームという専用の機械を使います。

このエピレーシック。。。当初はPRKやラゼックと比べて痛みが少ないとか、表面照射術後のヘイズが少ないとかいろいろメリットが強調されていたように思いますが。。。結局ラゼックやPRKと術後経過は同じで、エピケラトームという専用器具の滅菌やメンテナンスが面倒という印象でした。

ラゼックはアルコールで上皮剥離するだけなので専用機械を使わない簡便なところがメリットで、術中の機械的なトラブルがありませんので多くのクリニックで導入されているのだと思います。

おそらく現在は表面照射はラゼックで行う施設が多く、エピレーシックを行っている施設は少なくなっていると思います。

医療技術・・・屈折矯正以外にも様々な新しい術式が登場して知らぬ間に消えて忘れられてたりします。本当に良い術式は定番の術式となり世の中に受け入れられていきます。

レーシック後の白内障手術

レーシックを受けたら白内障手術が出来なくなるの? と質問されることがあります。

レーシックを受けられた方でも白内障の手術は問題なくできます。眼内レンズは患者様の 目の状態に合わせてレンズ度数を計算してオーダーします。

患者様の目の形、目の奥行きや、角膜のカーブなどを詳しく測定して、その患者様の目に 合った眼内レンズをオーダーして手術を行います。

レーシックやラゼックを受けられた方は角膜を削って屈折矯正しているので角膜の形が変化しています。そのことをあらかじめ考慮して眼内レンズの度数計算する必要があります。

最近は遠近両用の眼内レンズがあります。

通常の白内障手術に用いる眼内レンズは単焦点レンズです。

そのため眼内レンズの設定度数によっては遠くか近くを見るときには眼鏡装用が必要です。

こちらの遠近両用の多焦点レンズを用いるとその煩わしさは必要ありません。

かわもと眼科でもこのレンズを取り扱っています。

メーカーのアンケート

クリニックには定期的に薬剤メーカーや機械メーカーからアンケートが届きます。よく使う薬剤や使用機器に関するアンケートです。

今回はレーシックの機械のアンケートでした。

レーシック専門クリニックは新しい機器の導入や先進的な医療内容の充実を目指しているので、いろいろな機器に触れることが多々あります。このアンケートの結果を見てみると。。。レーシック専門クリニックは調査対象に入っていないようです。

意外とレーシックを導入しているクリニックがあります。そして専門クリニック以外にもいろんな機械を使うクリニックが全国にはたくさんあるんだなと思いました。

フェムトセカンドレーザー

フェムトセカンドレーザーの技術は眼科手術のいろいろなところに使われています。

これまでの10年間でレーシックのフラップ作成はフェムトセカンドレーザーで行うのが当たり前の時代になりました。

これからの10年間で白内障手術や角膜移植もフェムトセカンドレーザーを用いた手術手技にどんどん変化していくと思います。

最近白内障手術にフェムトセカンドレーザーを用いる手術機械が何種類か発売されました。

多分・・・この機械を使うよりも熟練した術者が手術した方が手術時間は短いので、一般的なクリニックがこのような手術機械を導入して白内障手術を行うのはもう少し先になるのではないかと思います。

思い起こせば。。。レーシックでフェムトセカンドレーザーを用いるようになった時も、「フラップ作成はケラトームで充分。レーザーでフラップを切るのは時間がかかるから良くない」と最初は言われていました。現在では「フェムトセカンドレーザーを用いた方が早いし精度が良い」と考えられています。

同じように白内障手術も「フェムトセカンドレーザーを用いて手術を行った方が良い」と言われる時代が近い将来に到来するのではないかと考えています。

ただ難点として。。。フェムトセカンドレーザーって高額です。購入するのも維持するのも。。。

 

眼の構造

今月のニュートンの話題は眼の構造です。 

かなり・・・専門的な内容で、眼科クリニックのスタッフにもおすすめです。

きっと眼科専門の書籍よりも解りやすいと思います。

最近のレーシックや老眼治療などの屈折矯正の話題まで掲載されていました。

こんな専門的な内容の雑誌が普通に書店で目にすることができるようになると、眼科スタッフ、特にレーシック施設のスタッフはこの雑誌の内容よりも専門的なことや臨床的なことに詳しくないと、“患者様の方が目のことに詳しい”ということもありえます。

新しい技術、話題はいろいろありますが、常にアップデートしていきたいものです。

円錐角膜の場合

円錐角膜が判明する方はレーシックの適応検査の中に数パーセントいらっしゃいます。

一般的には円錐角膜は角膜を削る屈折矯正方法は禁忌と考えられています。

それは角膜を薄くすると、再び角膜が円錐形状に戻っていくからです。

例外的にラゼックとクロスリンキングを組み合わせて、角膜を削ってさらに角膜を強化する方法が最近は行われています。

他にフェイキックIOLで眼内レンズで角膜を削らずに屈折矯正する方法が行われています。

 

円錐角膜の術式は上記の他にもいろいろありますが、実際に手術を受けられる方の割合は円錐角膜と診断された中の数パーセントくらいの割合です。

ほとんどの方は・・・レーシック不適応⇒そのままコンタクトレンズで過ごす、と考える方が多いようです。