レーシック1000眼

先日かわもと眼科が開院してからのレーシックやラゼックの施術眼数が1000眼を超えたみたいです。

片眼だけ施術している方もいますので、手術を受けられた人数は520人くらいです。

開院して約2年ですので毎月20~25人くらい手術していることになります。

このうち再手術(追加矯正)は3~4人の方に行っていると思います。

 

どこの都市でもレーシック手術や多焦点眼内レンズは需要があります。

最近は同一施設で保険診療と自由診療を行うことの大切さを感じています。

良い手術、効果的な治療、良い薬剤は少々高額でもその医療を受けたいと考える人はこれからもっと増えていくと思います。

週間ダイアモンド

先月、この出版社からアンケートが届きまして今週の雑誌にその集計が掲載されています。

メガネ、コンタクトレンズについても書かれていますが、レーシックを中心とした屈折矯正手術についてかなりしっかりと書いてあります。これからレーシックを受けようと考えている人や、すでにレーシックを受けて将来的には老眼の手術や白内障手術を受けようと考えている人が読んでも十分に納得ができる内容です。

現在日本で行われているほとんどの屈折矯正手術について図表とか画像がとても解りやすく掲載されていています。このままカウンセリングに使えそうなくらいです。

 

一般の方を対象にした雑誌でここまでの内容が記載されているということは、ここに書かれている内容は眼科専門医であればある程度は知っておかなければいけない内容、質問されたときにはちゃんと回答が出来るようにするべき内容なのかもしれません。

屈折矯正手術には興味がないから・・・とかレーシックの設備はないから・・・と言う理由では患者様から勉強不足と捉えられるかもしれません。

眼科クリニックのスタッフさんが読んでも良いかもしれません。

フェムトセカンドレーザー

レーシックでフラップを作成する時に使うレーザーをフェムトセカンドレーザーと言います。

数社から発売されていますが、日本で一番多くの施設で使用されているのはAMO社のイントラレースレーザーです。かわもと眼科もこのレーザーを使用しています。

そのほかにもいろいろなメーカーから発売されています。

 フェムトセカンドレーザーは以前はフラップを作成することが主な目的だったのですが、最近は角膜移植から白内障手術まで多くの術式に使われています。

なかにはフェムトセカンドレーザーだけで屈折矯正が可能なものもあります。

医療機器は日々進化しています。

円錐角膜の場合

レーシックの適応検査を受けられる人の中には円錐角膜が判明する方が数パーセントいらっしゃいます。

基本的には円錐角膜は角膜を削る屈折矯正方法は禁忌と考えられています。

角膜を削って薄くすると、再び角膜が円錐形状に戻っていくからです。

例外的にラゼックとクロスリンキングを組み合わせて、角膜を削ってさらに角膜を強化する方法やフェイキックIOLで眼内レンズで角膜を削らずに屈折矯正する方法が行われています。

高度の円錐角膜でコンタクトレンズの装用も困難な角膜形状の変化が強い場合には角膜内リングという器具を用いて角膜の形を整えて視力矯正を行うこともあります。

結膜下出血

レーシックの手術中にはフラップを作成すると時に眼球を圧迫固定します。

その際に数%の割合で結膜下出血を生じることがあります。

自然に吸収されるので心配ないのですが、見た目は大変な印象になります。

見た目は大変な印象ですが約1週間~10日間で自然吸収されます。

はやり目

結膜炎の原因にはいろいろな種類があります。

大きく分けると伝染するものとしないものがあります。

花粉症などのアレルギー性結膜炎は伝染しないものです。

伝染する結膜炎・・・いわゆる“はやり目”とは流行性角結膜炎のことで、この流行性角結膜炎はアデノウィルスによって伝染する結膜炎です。

夏季にプール等で伝染することが多いですが、冬季でもどこかで伝染して外来を受診される方がいらっしゃいます。

この流行性角結膜炎は人から人に伝染しますので、学生の場合は症状が治癒するまで学校は休まないといけません。社会人でも仕事は休んだほうが無難です。

眼科で働くとこういったウィルス性の結膜炎に罹患するリスクも高いわけで、私も研修医の頃に流行性角結膜炎になり、しばらく仕事を休んだことがあります。

 

結膜炎の症状で外来受診された方にはウィルス性の結膜炎ではないかチェックしています。

このような検査キットを用いると数分で結果が出ます。

ウィルスに対する有効なお薬はありませんが、抗生物質やステロイドの点眼薬で症状が悪化しないように対処しています。

10日~14日程度で結膜炎、角膜炎の症状は改善してきます。

そろそろ花粉症のシーズンですが、充血が強くメヤニが多いなどの症状があればこのような結膜炎のこともあります。

術後のドライアイ

レーシック術後の症状のひとつにドライアイがあります。

この原因はレーシックで角膜にフラップを作るときに角膜の知覚神経を切断してしまうからです。角膜の知覚低下が生じて涙液の分泌が低下してしまいます。

ほとんどの症例は人工涙液の点眼で症状は緩和されますが、症状の強いドライアイに対しては涙点プラグを使用しています。

涙点プラグはドライアイの症状軽減のためのアイテムです。

先端形状はこのような形です。

目頭の涙点を塞ぐことによって、目の表面の涙の量が増える効果が期待されます。

 

レーシック術後のドライアイは基本的には時間経過とともに徐々に症状は軽減していきます。乾燥を感じたら人工涙液の点眼薬を頻回に使用することをおすすめしています。

レーシックの手術方法

レーシックの手術のながれが解りにくいと言われることがあるので、画像を用いて説明してみます。

手術中はまぶたを開瞼器という目を開けたままにする器具で固定します。手術中に瞬目とか目を閉じてしまう心配はありません。目薬の麻酔をしてあるので、目を開けたままでも目が乾いている感覚はありません。

 

最初にフラップを作るために眼球に固定器具をつけます。

眼球は圧迫固定されているので眼球が動いてしまう心配はありません。

フラップを作成しているときは、眼球を圧迫しているので目の前は暗くなります。

両目にフラップを作ってからエキシマレーザーに移動します。

エキシマレーザーを照射する前にそのフラップをめくります。

 エキシマレーザー照射中はレーザーが眼球を追尾するようになっています。

エキシマレーザー照射中は真正面の緑の光の点滅を見ていてください。

このあとはフラップをもとの位置に戻して手術は終わりです。

約10分間程度で手術は終わります。

レーシック後の白内障手術

昨年このブログで掲載した方です。この方は2009年に大阪で両目のレーシックを受けられています。右目の白内障でかわもと眼科を受診されました。

同年代のもともと目の良い方と比べると、高度近視の場合には核白内障というタイプの水晶体の混濁が進行しやすいと言われています。

この方の右目も核白内障での視力低下ですので白内障手術の予定になりました。

年齢はまだ40代後半ですので、患者様と相談して遠近両用の多焦点眼内レンズを使う予定になりました。

 

レーシック術後の眼内レンズの計算はwebからでも可能です。

年明けに遠近両用の多焦点眼内レンズを使って白内障手術を行いました。

術後1週間で遠方も近方も良好な裸眼視力に改善しています。

 

単焦点レンズですと遠方か近方のどちらかしか良好な裸眼視力を得ることは難しいです。

遠くが裸眼で見える=近くは老眼鏡が必要です。

近くが裸眼で見える=遠くはメガネが必要です。

 

ところが多焦点レンズを使った白内障手術を行うと、条件の良い目の場合には遠方も近方も良好な裸眼視力が得られます。

もちろんレンズ度数の誤差や術後の屈折の状態によってはレンズ交換やエキシマレーザーでの追加矯正が必要な場合もあります。しかしこれまでの白内障手術で使っている単焦点レンズでは得られなかった術後視力が得られる時代になっています。

最近の網膜硝子体手術

先日は山口県眼科フォーラムで網膜硝子体手術の講演を聴いてきました。

網膜硝子体手術は網膜剥離や糖尿病網膜症等の眼底の病気で、お薬やレーザー治療では回復が難しい状態の症例に行われています。

10年くらい前の網膜硝子体手術はホントに大変な手術。。。って印象でした。今でも大変な手術なのですが、手術機器の進化とお薬の進化で随分と洗練されてきた印象です。

深刻な黄斑変性症もお薬も目の中に注射 して注入するとかなり良くなる患者様もいます。

これは10年前には考えられないことでした。

 

最先端の網膜硝子体手術のお話を聴くと。。。手術が必要な症例はどんどん限定されそうな感じです。

これまでだったら“手術しないとこのままだと失明します”な症例が、“目の中にお薬を注射して治療しましょう”で済んでしまう時代が近づいている感じです。

もちろんこの先も“手術しないと失明します”な症例がなくなることはないと思いますが、手術せずにお薬で視力の回復が期待できるようになる時代が近づいているように思います。