定期的に施術しているICLです。大変良い術式ですがレーシックと比べると費用は高めです。
しかし角膜を削らないで矯正できるメリットは大きいのではないかと考えています。特に高度近視のレーシックが難しい方には適した術式だと思います。以前は手術前にあらかじめ虹彩にレーザーで処置を行っていましたが、現在はその必要はありません。
最近は長期安定性のデータも出てきましたので、レーシックと同等かそれ以上に安全性の高い手術といっても良いと思います。
定期的に施術しているICLです。大変良い術式ですがレーシックと比べると費用は高めです。
しかし角膜を削らないで矯正できるメリットは大きいのではないかと考えています。特に高度近視のレーシックが難しい方には適した術式だと思います。以前は手術前にあらかじめ虹彩にレーザーで処置を行っていましたが、現在はその必要はありません。
最近は長期安定性のデータも出てきましたので、レーシックと同等かそれ以上に安全性の高い手術といっても良いと思います。
遠視の人はたくさんいます。
もともと視力の良い人の屈折度数は軽い遠視であることが多いです。
軽い遠視は日常生活に不便を感じることはそんなにありません。年配の人には少し老眼が不便かなと感じる程度だと思います。
強い遠視はかなり不便があります。近視が強い場合とは異なる不便さだと思います。
この方はもともと両目とも高度の遠視で、右目は弱視があるようで矯正視力は0.7くらいです。 左目の矯正視力は1.2くらいです。
年齢は30代ですが、裸眼だと近くはかなり見えにくくパソコン等での眼精疲労も強いようです。最近はメガネをかけて過ごすのも疲れてきたということでレーシックを受けに来院されました。
手術当日の夕方のデータですが、左目の遠視はほとんど改善しています。
遠視の術後は近視とは異なり視力や度数の安定に少し時間がかかります。遠視の術後は近くが見えやすくなるために、逆に遠方が少し見えにくく感じる傾向があります。
術後2~3ヶ月くらいすると遠くと近くの見え方のバランスや違和感が徐々に少なくなっていきます。
自分の周りにレーシックなどの近視矯正手術を受けているひとがたくさんいる人とそうでない人がいらっしゃるみたいです。
日本ではすでに100万人~120万人くらいレーシック手術を受けている人がいると推測されています。
レーシックを受けている人が増えると、コンタクトレンズを使う人は減っていくのではないか?と聞かれることがありますが、そんなことはありません。
総務省の平成23年の人工推移年報によると総人口は約1億2700万人です。レーシックの対象年齢である20歳~60歳の人口は約6440万人です。
その約6440万人のなかには目の良い矯正を必要としない人が3分の1くらい(約2100万人)いるとすると、きっと近視とか乱視でメガネやコンタクトレンズで矯正が必要であろうと思われる人は約4300万人いることになります。
その4300万人のうち100万人レーシックを受けている人がいるということになりますので。。。メガネやコンタクトレンズで矯正が必要な43人に1人がレーシックで屈折矯正していると推測してみました。
43人に1人の割合でレーシックを受けていると考えると、レーシックを受けようと思った人がレーシックを受けた人を探そうと思えばそんなに苦労しなくても見つかりそうです。
そして他の42人はメガネやコンタクトレンズで矯正するか、もしかしたら中には普段は裸眼ですごしている人もいることになります。
レーシックを受ける人が少々増えたくらいではコンタクトレンズを使う人が減ることはないですし、メガネ屋さんがなくなることもありません。
レーシックを受ける人が少々減ったからといってメガネ屋さんやコンタクトレンズメーカーが儲かることもありません。
ちなみにこの眼科医5人のうち3人はレーシックを受けています。
レーシックの適応検査に来られる方は年代は様々ですし、その中には高度近視の方は一定の割合でいらっしゃいます。
これくらいの近視度数は珍しくありません。
こちらの方はご家族の術後検診に同伴して来院され、ICLについて聞いてみたいと言われたので簡易検査をしてみました。
近視度数の強い方は”自分はレーシックは難しいのではないか。。。”とか、”インターネットで調べたらICLとかフェイキックIOLの適応と言われそうな予感はしてる。。。” みたいです。
やはりー10Dを越える近視度数に乱視が加わるとそれなりの角膜切除量になります。
たとえ残存する角膜厚が一定基準をクリアしていても角膜切除量が多いとそれに比例して術後の見え方に影響してきます。
ICLは内眼手術ですから角膜内皮細胞への影響や白内障の早期発症が問題になりそうですが、極端な角膜内皮細胞の減少は起こりませんし、ICL術後たちまち白内障が発症して白内障手術が必要になるということもありません。
ICLを受けられる方には角膜内皮細胞減少はほぼ自然減数と同等くらいで、白内障手術が必要になる時期は同級生のもともと目の良い人たちよりも5年~10年くらいは早くなるかもしれないとお話しています。
そもそも50歳代になると水晶体の調節力が衰えて老眼は強くなりますし、老化によって水晶体の収差が増加してきます。
最近言われているのは、50歳代の老化した水晶体で見るよりも遠近両用の多焦点眼内レンズで見るほうが見え方の質は良いという説もあります。
少なくとも50歳前後~50歳代で高度近視だとレーシックやICLで矯正するよりも白内障手術を行って眼内レンズを入れて度数矯正する方が見え方の質は良いのではないかと考えてます。
ホールタイプのICLが発売されました。
今までは虹彩に穴を開けるレーザー処置が必要でしたが、このホールタイプICLはその処置は必要ありません。レンズの真ん中に小さい穴が開いていますが、見え方や視機能には影響はありません。
レンズの価格は今までと同じですので、かわもと眼科での手術費用も今までと同じです。
レーシックと比べると有水晶体眼内レンズの手術は高額ですが、見え方の質を考えるとメリットは多いと思います。
高度近視でレーシックは難しいかも?と考えている方やラゼックの適応と言われて手術をあきらめている方はICLの選択肢を検討してみてはいかがでしょう。
かわもと眼科で有水晶体眼内レンズの適応になる方は、これからはこのレンズを使用することになります。
白内障は加齢にともない進行するので、白内障手術を受けられるのはご高齢の方が多いです。
まれに若い方でも白内障が生じ視力低下している方がいらっしゃいます。
40代前半の方で左目の視力低下とかすみ目で来院されました。軽度の白内障ですが水晶体の中心に混濁があり日常生活で不便だということで手術予定となり、近方の見え方も気にされたので多焦点眼内レンズを用いた白内障手術を行いました。手術翌日には遠くも近くも良好な視力に改善しています。
この方はまだ年齢が若いので、あと数年は手術していない右目で近くは見えると思いますが、将来的には右目は老眼で近くは見えにくくなってきます。そのときは今回手術した左目の多焦点眼内レンズで近くを見るようになってくると思います。
世の中には老眼治療といわれる手術方法はいろいろありますが、その中では多焦点眼内レンズを用いる方法が合理的で視力の見え方も自然で満足度が高いような印象があるように私は感じています。
40代前半の方が右目の白内障の手術希望で来院されました。程度の軽い白内障ですが矯正視力は低下していますし、感覚的にかすんで見えづらいということで右目を白内障手術しました。
以前でしたら眼内レンズは左目の近視度数とバランスのとれた単焦点レンズで度数設定するところですが、最近はご希望があれば多焦点眼内レンズを使用しています。
右目の白内障術後は遠方も近方も良い視力が得られています。
その後は左目は今までとおりコンタクトレンズを使用されていましたが、両目とも裸眼でスッキリ見たいと言うことで左目はレーシックをご希望されました。
いつもとおりにレーシック術前検査を行って、問題なく施術できることを確認してから左目にレーシックを行いました。
手術翌日には左目も良好な裸眼視力が得られています。
右目は多焦点眼内レンズ、左目はレーシックで矯正した術後の見え方の感覚はどんなものか尋ねてみると。。。
①夜間のグレア・ハローは右目の方が気になるそうです。
②レーシックを施術した左目は日中も夜間も違和感はないそうです。
③近くの見え方は右目でも見えるけども左目の方が自然な感覚だそうです。
④両目で見ている感覚は遠方も近方も違和感ないそうです。
こういった術後の見え方の感覚は個人差がありますし、年齢や生活環境によっても差はあると思います。この方は両目のバランス、見え方とも非常に満足な結果だそうです。
先日の雑誌アエラにレーシックの安全性について有名な眼科医師の対談が掲載されていました。
推進派の先生のご意見
・すでにたくさんのレーシック手術が行われており充分に安全性は証明されている。それは飛行機に乗って移動するくらいの安全性である。
・コンタクトレンズの方が危険と考えられる。コンタクトレンズの眼障害の事例はたくさんある。
・調子の悪いスポーツ選手がレーシックを受けていることが分かると、レーシックを受けたことが原因だと言い出すメディアに不満がある。
慎重派のご意見
・レーシックの術後のドライアイを訴える患者さんがご自身のクリニックに年間10人くらい受診している。術後ドライアイ等の慢性刺激でうつ等の身体症状がでることもある。
・適応検査での手術の適応基準がクリニックで異なるのは危険なのではないか。
・術後に問題が生じるということについて、手術前にちゃんと説明が行われていないのではないか。
どちらもごもっともな意見です。
私は自分自身がレーシックを受けていることもありますが、私はレーシック推進派だと思います。
私はレーシック推進派ですが、なんでもレーシックで手術したら良いとは考えていません。
かわもと眼科の手術適応基準はわりと厳しい基準設定をしていると思います。
レーシックが難しければラゼックがありますし、ラゼックが難しければ有水晶体眼内レンズでの矯正方法があります。
一般眼科施設で診察をしていると、コンタクトレンズのトラブルで目の痛みやドライアイを訴える患者さんはたくさんいます。そのためコンタクトレンズの方がレーシックよりも優れているとは思いません。
レーシックの術後は一定期間は強いドライアイを感じていると思います。ただ一定期間が過ぎればそのドライアイも徐々に軽減してきます。
手術前の状態に戻せないことがレーシックのデメリットと言われていますが、術後経過に問題がなければ元に戻せないことがデメリットになるとは思えません。
ドライアイや手術前の状態に戻せないことをデメリットと考えるのであれば有水晶体眼内レンズで手術を受ける選択肢もあると思います。
近頃のうわさ話や都市伝説のような俗説で「レーシック=悪いものである」という風潮はいかがなものかと考えています。
眼科医も1人の人間です。メガネに不便していない眼科医はコンタクトレンズを使うことはないでしょう。レーシックの必要性を感じない眼科医もいると思います。
しかし眼科医がメガネをかけているからレーシックは信用できないとか、常識的な眼科医はレーシックを否定している等々・・・この類のお話が蔓延している状況も含めて、レーシック等の屈折矯正手術は良い手術であるということをもう一度正しく認識してもらえるように努力していかなければと思います。
眼科医がメガネをかけているからコンタクトレンズは信用できないというお話にならないところがレーシック不信の根深いところなのかもしれません。
今月もICL手術を行いました。
昨年末に検査を行い1月下旬にレンズが届いたので、日程を調整して手術を行いました。
角膜厚は平均値ですが近視、乱視とも非常に強く、レーシックやラゼックで行うには角膜の切除量が非常に増えてしまいますのでICLを選択しました。
手術2日目でまだ屈折度数は不安定なところですが視力検査では良好な結果が得られています。
近視乱視が強い方や角膜の厚さに制約のある方が屈折矯正手術を行う場合にはラゼックを選択するかICLを選択するか悩むところではあると思います。
かなり強い近視や乱視の方でも術後早期から日常生活に不便のない視力回復が得られるところがICLの優れているところだと思います。
ICLは角膜を削らないでレーシックと同等の視力回復が得られる術式と言えます。