QSV 20120811

2012年8月11日 土曜日 by かわもと眼科院長

今朝は大雨で,JRが止まってしまって,仕方なくタクシーで出勤しました。

 

先日「先端技術が応える!中高年の目の悩み」(横井則彦著:集英社新書)を読みました。横井先生は京都府立医科大の眼科の先生で,眼科の世界では有名な先生です。私と同じ眼表面(オキュラーサーフェイス)を専門とする先生です。内容の大部分は先生の専門である「ドライアイ」に割かれていますが,非常に読みやすい本となっています。先日も当院のスタッフに読むように薦めました。何度も言っていますが,眼科のここ5-6年の進歩は凄まじいものがあります。私が医者になった頃は治療が難しいといわれた疾患でも,私たち開業医のレベルで治療が可能になってきていますし,特殊な訓練を積んだ術者だけが手を出せた手術でも,私たち開業医レベルで安全に手術することができるようになりました。本当にここ5-6年は眼科にとって,ビンテージとなる年月だったと思います。ただ残念なのが,日本はこのビンテージを取り逃がしてしまい,欧米はおろか,シンガポールはじめ,中国や韓国に大きく水をあけられることになってしまっていることです。日本の眼科の大部分は20世紀で時間が止まってしまって,21世紀の眼科にうまく移行出来ていないのが現状です。その中にあって,ドライアイの分野では世界の先頭を走っている感が,この本を読んでいるとしてきます。

この本のタイトルにある「先端技術が〜」の部分の内容が,うまく本文に反映されていないのが残念ですが,眼科スタッフのみならず,MRさんや患者さんにも読んでいただきたい良い本です。

 

QSV: Quest for Super Vision(究極の見え方の追求)

ドラのんた:毎週金曜日午後6時半からFMわっしょい(76.7MHz)で放送中