QSV 20111229
2011年12月29日 木曜日 by かわもと眼科院長今年も残すところ3日ですね。頑張って行きましょう!
今朝は、クリニックの近くにある、ファミリーレストランで朝ご飯を食べました。モーニング時間帯なのでお客さんも多かったのですが、わたしは今の日本を象徴する,面白い場面に遭遇しました。
私は簡単に提供できるモーニングメニューの中でも,一番簡単なメニューを注文しました。写真にあるように,白ご飯とお味噌汁と納豆です。すると,ウェイトレスさんは,「時間がかかりますがよろしいですか?」と言います‼。「えっ⁈」と思いましたが,この店はこんな簡単なメニュー,モーニングメニューの中でも一番簡単なメニューを決して暇ではない客に提供するのに,一体どの位の時間をかけるのか見てやろうという好奇心から,予定通り一番簡単なメニューを注文しました。
さて,注文から写真の料理が運ばれてくるまでの時間はなんと25分‼。ウェイトレスさんの言った言葉は嘘ではありませんでした。
私はこの一事にこの国の経済の停滞とワーキングプアの根本原因を見た気がしました。例えば,シンガポールで同じメニューを注文したら,料金は同じでしょうが,時間は日本の三分の一から五分の一,いや多分注文と同時くらいに料理が運ばれて来るでしょう。プノンペンで同じ料理を注文したら,味はやや落ちるかもしれませんが,時間も料金も日本の数分の一でしょう。深圳で注文したら,料金も時間も日本と同じかもしれませんが,味は多分深圳のほうが良いでしょう。私は地理的条件さえ取り除けるのなら,朝ご飯は「豚汁定食」ではなく,「フォー」や「小龍包」を食べたいですね。
今から二十年前,バンコクの街を歩いていた私は,先進国に生まれる事のありがたさを思い知らされました。日本は今でも先進国でしょうが,日本人は今の時代に日本に生きる事の意味をはきちがえています。先進国に生まれたのだから,世界と凌ぎを削らなければならない厳しいフードビジネスの世界でも世界一高い人件費は当たり前,高い給与は当たり前。たとえサービスの質は世界一ではなくても。しかしそんなことを続けている間にかつての途上国は経済成長を遂げ,国内的には前世代の遺産を食いつぶしてしまったのです。しかしそれでもなおこの国の一部の人々は「人類史上,経験のないほどの莫大な額の借金」をしてまで,過去の栄光にすがりつこうとしています。今年一年を終わるにあたり,私自身も自分を省みて,お正月休みは新しい年に向けてしっかりと勉強しようと思います。
QSV: Quest for Super Vision(究極の見え方の追求)
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