20111026

2011年10月26日 水曜日 by かわもと眼科院長

今日は朝から良いお天気ですが,寒いです!

 

今日の数字:ゼロ対300

今日の数字は「再生医療に関する製品」の数字です。眼科の世界に限らず,医療の分野の新しい治療の流れの1つは「再生医療」です。日本には京都大学の山中教授を中心としたiPS細胞の臨床応用が期待されています。実際に患者さんにこの細胞が移植される日はまだ遠いでしょうし,超えなければならない技術的課題も多く,幾多のブレークスルーを超えなければ,本当の意味での「再生医療」に届かないでしょう。しかし日本にはもう1つ大きな壁があります。それは治験です。現在世界では300を超える「再生医療」の治験が行われていますが,わが日本での治験件数は0(ゼロ)です。眼科の分野では,例えば私の専門である角膜では東京女子医大を中心としたチームは日本で治験を行わず,フランスで治験を実施し,本年中に製品化にこぎつけることができるようです。またiPS細胞を使った網膜再生の治験では理化学研究所のチームは海外での治験を検討しています。

日本は技術は一流だがその製品化には遅れを取ってしまうといわれますが,医療の世界でもそのような現象は数多く見られます。今回の再生医療だけではありません。例えば血液中の酸素飽和濃度を測るパルスオキシメーターなどは日本人医師が考案したのもですが,国内では認めてもらえず,アメリカで申請して認められ,日本に逆輸入されています。既得権益を護ることに汲々とする日本。新しいものや考え方を決して認めようとしない日本。他人の足を引っ張ることに全精力を傾ける日本。経済の閉塞状況に出口が見えず,じり貧となる日本。「再生医療」の分野での国際競争に負けることは必至の状況の日本。もう日本で新しいこと,世界初のことを認めてもらうことは止めましょうよ。ネットワークは整備されています。新しいアイデアを持った人は,リスク覚悟で(日本で認めてもらうことにこだわることはもっとリスクがあります)海外で認めてもらって,日本でそのアイデアが必要ということになれば,逆輸入してあげましょう。円高なんだから丁度いいでしょう。

 

今日のスイーツ:今日はセブンイレブンの「あんみつ」を買いました。抹茶のクリームと黒蜜のマッチングが絶妙です。

 

ドラのんた:毎週金曜日午後6時半からFMわっしょい(76.7MHz)で放送中