20110622
2011年6月23日 木曜日 by かわもと眼科院長今日も蒸し暑いですね。
今日は昼から手術でした。うちの理事長がいろいろと手術のコツを教えてくれるのですが,根拠に基づいたアドバイスなので納得させられます。近年の医療はEBM (Evidence based Medicine:根拠に基づいた医療)の実施が求められます。具体的には,医療の実践する場合に医学という科学的根拠に基づいた治療を選択することが求められます。もちろん医学と違って医療には多分に不確定要素が介在します。医療者はこの医学と医療の齟齬にいつも悩まされます。
「世界保健機構(WHO: World Health Organization)」という国際機関があります。通常国際機関の場合,International(国際)という言葉が入りますが,WHOはInternationalの代わりに「World」の「W」が入っています。これは医療や保健というのはその国々で特有の要素があり,一定の不確定要素を孕んでおり,各国,各地域の医療・保健に関わる諸問題の解決策は世界的(International)に普遍性を持っている訳ではないという意味が込められています。
しかしそうした事情を考慮しても,先進国での医療には一定の根拠が求められます。医療技術も同様です。手術の手技も先輩医師の手技を観察しながら,教えてもらいながら習得します。しかしそうした手術技術にも言葉では伝えきれない「何か」があります。それが脈々と受け継がれ,ちょっとしたコツとなり,そのコツが術後の経過に影響することがあります。うちの理事長はこうした「何か」に常に根拠を求めます。無論,言葉にできる根拠を見つけ出すことが出来ない場合もありますが,理事長の偉いところは,いまある,いま持っている器械や技術を総動員して根拠を見つけようとする姿勢です。今日もこの「根拠」に基づいた手術をしていますので,きっと経過は良いだろうと思います。
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